
「里親制度は、子どものための制度です」
説明会などでもよくお伝えしている言葉ですが、改めてその意味を考える機会がありました。
先日の里親制度説明会のアンケートでは、参加者の方からこんな感想が寄せられました。
「“子どものための制度”ということを改めて考えさせられた」
「理解していたつもりだったが、その意味が腑に落ちた」
「自分たちが本当に子どものために行動できているのか、家族で考えたい」
制度について知る中で、“自分ごと”として問い直してくださっていることが、とても印象的でした。
数字から見える現状

現在、東京都では社会的養護のもとで暮らす子どもは約4,000人います。
そのうち、里親家庭等で生活している子どもは約17%です。
また、全国では約4万2千人の子どもたちが社会的養護を必要としています。
少子化が進む中でも、この数はここ数年大きく変わっていません。
子どもの数は減っている一方で、家庭での生活が難しくなり、支援を必要とする子どもたちは、今も確かに存在しています。
子どもたちの背景は一つではない
では、その子どもたちはどのような背景を持っているのでしょうか。
保護者が精神的な不調を抱え、治療が必要で養育が難しい場合。
ひとり親家庭で生活の立て直しが必要となり、一時的に子どもと離れる必要がある場合。
虐待により安全確保のために親子分離が必要な場合。
思春期以降に家庭との関係調整のため、一時的に距離を置く必要がある場合。
また、保護者の急な病気やけがにより、養育ができなくなる場合もあります。
理由は一つではなく、とても多様です。
そして大切なことは、多くの子どもたちに「実親の存在がある」ということです。
子どもたちは、それぞれの家庭や背景、これまで築いてきたつながりの中で生きています。
だからこそ、里親制度はその子の人生やつながりを大切にしながら支えていく制度でもあります。
“子どものため”を考え続けるということ
「子どものための制度」と聞くと、特別なことのように感じるかもしれません。
ですが実際には、
「この子にとって、今どんな環境が必要なのか」
「どんな生活が安心につながるのか」
を考え続けることなのかもしれません。
そしてその中には、
“できるだけ今までの日常を守る”という視点もあります。
次回は、「大きく環境を変えないこと」が子どもの安心につながった、あるエピソードをご紹介します。

